解決を運べINTERVIEW.03

走り続ける人は、
立ち止まることが
できる人。

滝野 大樹

営業職(セールスドライバー®)主任
2015年入社

滝野 大樹滝野 大樹

profile

大学時代は陸上部に所属。主将として部員100名を束ね、走り高跳びでは関西MVPを獲得。佐川急便に興味を持ったきっかけは、テレビで特集されていた「佐川男子」。その姿に強いインパクトを受けたほか、熱い人々の間で働きたいと考えていたこともあり、入社を決める。

信頼を、改革の力へ。

佐川急便で、大きな改革が進んでいます。社員の一人一人が、少しずつ無理をして物流を支える。かつて存在していたそんな習慣を完全に捨て去るために。人口減少の中にあってもしっかりと人材を確保し、荷物の増加にも、要望の多様化にもびくともしない物流インフラを構築するために。その上で避けては通れないのが、運賃の適正化です。お客さまに機械的に伝えれば、単なる値上げに捉えられるかもしれない。けれど、もちろんそうではなく、高品質なサービスを提供し続けるために必要な取り組みであることをご納得いただきたい。その成否を左右するのは、最後にはやっぱり信頼関係である。僕がそう断言できるのは、入社2年目で経験した苦い思い出があるからです。あの時の僕も、とある法人のお客さまに運賃適正化の交渉をしようとしていました。これからの物流インフラを整えるための、前向きな話なんだ。自分にそう言い聞かせながら。ところがお客さまには、まるで取り合っていただけなかった。最初の一言を切り出すことも許されない、そんな雰囲気さえありました。「全然ダメなんですよね」。困り果てて相談すると、上司は苦笑いしてこう返しました。「滝野には、まだ無理かもしれないな。話はこっちでまとめておくよ」。一体、何がいけなかったんだろう。その理由に気づいたのは、しばらく後のことです。

人間が届ける意味。

そのお客さまは「人」をよく見る方でした。佐川急便というブランドだけではなく、一人一人のセールスドライバー®への信頼から契約を結んでくださっていました。僕の前任者とも、とても良好な関係を築いていたそうです。ところがまだ気持ちに余裕のなかった僕は、お客さまとのコミュニケーションを無意識のうちに拒んでいました。慌ただしく立ち寄って配達するだけ。集荷するだけ。型通りの挨拶をのぞけば、会話のひとつもありませんでした。お客さまからすれば、まるでロボットのように見えていたはずです。そんな僕が、ようやく口を開いたかと思えばお金の話。逆の立場で考えれば、受け入れられなくてあたりまえでした。「物流に、自分という人間が介在する価値はなんだろう」。そんなことを真剣に考え始めた矢先、別のお客さまからお叱りの連絡が届きました。ちょうど大量の配達に追われていたタイミングで、とても対応する余裕はない。でも、お客さまは怒っている。僕の出したSOSに、上司の答えは明快でした。「配達は止めていい。お叱りの連絡のあったお客さまに、すぐ会いに行け」。その言葉に弾かれるように、お客さまのもとへ走りました。「門前払いかもしれない」。けれどお客さまは、落ち着いた様子で僕の謝罪を受け入れてくださいました。それどころか、初めてじっくりと話し合ったこの日を境に、お客さまの態度は打ち解けたものになりました。ときどき、缶コーヒーの差し入れを渡してくださるくらいに。

聞けば、答えが見えてくる。

この経験が、僕に気づかせてくれたこと。それは「運ぶ」にも並ぶ、「聞く」ことの大切さでした。まずお客さまの要望を聞き出さなければ、答えを示すことはできない。「一人一人が経営者」と言われるほどの責任感を持ち、お客さまの課題解決を物流面からお手伝いできることが佐川急便の強み。それを発揮するために必要なのは、立ち止まって耳をすませる姿勢だったのです。「聞く」ことから生まれた解決策は、僕の提案にも次々と盛り込まれるようになりました。やはり運賃適正化の交渉を行ったアパレル会社では、その分を相殺できるよう、品質はそのままで低コストの梱包材を。約260社が参加する展示会への荷物搬入では、新たなラベリング方法による効率化を。こうした提案が、お客さまからの信頼にもきっと結びついていく。そう感じています。主任としての僕は、メンバーにこんなことを言ったりします。「積み込み、手伝ってあげる。そのかわり、お客さまとちゃんと話をしてきてよ」。メンバーに代わってお客さまを訪問した時には、「いつものセールスドライバー®、どうでしょうか」。そんなふうに尋ねることもあります。うれしい言葉が返ってきた時には、急いで本人に伝えます。佐川急便の仕事の答えは、すべてお客さまの中にある。僕がちょっと苦い思いをしながら学んだそのことに、メンバーは喜びを通じて気づいてくれますように。そう願いながら。

※職種は2020年3月31日現在のものです。