脱炭素社会の実現に向けてEnvironment:環境

佐川急便は、CNG(天然ガス)トラックやハイブリッドトラック、電気自動車といった環境対応車の導入、モーダルシフトの推進やエコ安全ドライブによる燃料消費の抑制など事業活動の合理化・効率化を通じて積極的にCO2排出量の削減に努め、脱炭素社会の実現に貢献しています。

関連するSDGs

  • 7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
  • 9.産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 11.住み続けられるまちづくりを
  • 13.気候変動に具体的な対策を

SGホールディングスグループ「TCFDレポート」

温室効果ガス排出削減目標

SGホールディングスグループ 温室効果ガス(GHG)削減目標

対象 目標
Scope1・Scope2 2030年:CO2排出量46%削減(※2013年度比)
2050年:カーボンニュートラルを目指します。
Scope3 サプライチェーン全体での排出削減に取り組みます。

佐川急便 温室効果ガス(GHG)削減目標 ※SBT認定取得

対象 目標
Scope1・Scope2 2030年:CO2排出量42%削減(※2020年度比)
Scope3 2030年:CO2排出量25%削減(※2020年度比)

削減に向けた施策

施策(1)非化石エネルギー自動車の導入(EV等)、施策(2)電力使用量に占める再エネ率の拡大、施策(3)モーダルシフトの推進

移行計画

単位 2024年度実績 2030年度目標
非化石エネルギー自動車の使用率 0.5 40.6
電力使用量に占める再エネ率 61.3 80.0

温室効果ガス排出削減進捗

SGホールディングスグループ 温室効果ガス(GHG)排出削減目標と実績

単位 2013年度(基準年) 2024年度 2030年度
目標 Scope1・2 基準年比削減率 t-CO2 - -15.0% -46.0%
実績 Scope1・2 t-CO2 393,862 309,462 -
Scope1・2 基準年比削減率 t-CO2 - -21.4% -
  • 佐川急便実績

佐川急便 温室効果ガス(GHG)削減目標と実績 ※SBT認定取得

単位 2020年度(基準年) 2024年度 2030年度
目標 Scope1・2 基準年比削減率 t-CO2 - - -42.0%
Scope3 基準年比削減率 t-CO2 - - -25.0%
実績 Scope1・2 t-CO2 363,116 309,462 -
Scope3 t-CO2 1,123,640 1,055,464 -
Scope1・2 基準年比削減率 t-CO2 - -14.8% -
Scope3 基準年比削減率 t-CO2 - -6.1% -
  • Scope3は、基準年度と同一の算定範囲で算出

目標と実績

大気汚染防止

単位 (中期目標)2024年度目標 (単年目標)2024年度目標 2024年度実績
自動車Nox排出量 2020年度比 35%削減 2020年度比 35%削減 2020年度比 47.8%削減
主な施策
  • 環境対応車の導入、車両の電動化(EV、FCV)

気候変動への対応(緩和策)

佐川急便は、多くの貨物自動車を使用し事業を営んでおり、物流という社会インフラを担う企業として、脱炭素社会に向けた取り組みは責務であると認識しています。世界的な喫緊の課題である気候変動への対策をこれまで以上に強化すべきであると捉え、積極的に取り組んでいます。

環境に配慮した輸配送

環境対応車の導入

業界に先駆け1990年代から導入を開始 最近8年でその数は2倍超に

「環境対応車」とは従来のガソリン車やディーゼル車に比べ、排気ガスに含まれる大気汚染物質(窒素酸化物・粒子状物質等)や地球温暖化に影響を及ぼす温室効果ガス(二酸化炭素等)の排出が少なく、地球環境への負荷が小さい車を指します。佐川急便では2024年度末で23,602台の環境対応車を保有しており、その割合も年々増加しています。

環境対応車導入の推移
CNG(天然ガス)トラックは、CO2、NOX(窒素酸化物)の排出量が少なく、PM(粒子状物質)を全く排出しないトラックです。佐川急便は業界に先駆ける形で1990年代から導入を開始しました。
一般的なディーゼルトラックよりも燃費が良く、排気ガスの排出量が少ないハイブリッドトラック。

ラストワンマイル配送にFCVトラック・EVトラックを導入

佐川急便では、福島県と東京都での電動車普及に向けたエネルギーマネジメントシステムの構築・社会実装に参画しており、その取り組みの一環として、2023年11月15日より、FCV(燃料電池)トラックおよび、EV(電気)トラックを順次導入しています。走行時にCO2等の排気ガスを出さない車両であることから、1台につき1年間で約12tのCO2排出量を抑制できると見込んでいます。

  • 一部を国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究開発助成事業「グリーンイノベーション基金事業/スマートモビリティ社会の構築」として実施
EVトラック(いすゞエルフ EV 冷凍冷蔵庫付き2tトラック)
FCVトラック(トヨタ自動車、いすゞ自動車共同開発車両 冷凍冷蔵庫付き3tトラック)

バイオディーゼル燃料の使用

佐川急便は、バイオディーゼル燃料などの製造・販売を行う株式会社ユーグレナさまと共同で、消費者の意志に基づいてCO2排出量削減の取り組みに参画できる「サステナブル配送プロジェクト」を実施しました。(実施期間:2023年6月~12月)
本プロジェクトは、お客さま(個人)・荷主(ユーグレナさま)・運送事業者(佐川急便)の三者が費用をそれぞれ負担し、通販における配送の一部に次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」を使用することで輸送によるCO2排出量を削減する新しい取り組みです。
個人のお客さまから合計で845口(1,000円/口)のご支援をいただきました。そのご支援金額と同額を両社も拠出し、佐川急便の車両約100台で約8,000リットルの次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」を使用することで、4.11トン相当のCO2排出量を削減できました。

佐川急便のトラックに「サステオ」を給油している様子

2024年4月24日 ニュースリリース
国内初の「サステナブル配送プロジェクト」により 杉の木約5,500本相当、4.11トンのCO2排出量削減を達成
https://www2.sagawa-exp.co.jp/newsrelease/detail/2024/0424_2243.html

持続可能な航空燃料の活用

佐川急便とDHLジャパンさまは、持続可能な航空燃料(SAF)の活用により、輸送に伴う温室効果ガス排出量を削減(インセット)する国際輸送サービス「DHL GoGreen Plus」に関する契約を締結しました。これにより、佐川急便の日本発海外向け輸送サービス「飛脚国際宅配便」において、DHLジャパンさまが提供するSAFの環境価値を活用し、輸送にかかる温室効果ガスの排出量を約10%削減できる見込みです。

※飛脚国際宅配便
https://www.sagawa-exp.co.jp/service/h-kokusai/

2025年4月16日 ニュースリリース
佐川急便とDHLジャパン 温室効果ガス排出量削減のための「GoGreen Plus」契約に調印
https://www2.sagawa-exp.co.jp/newsrelease/detail/2025/0416_2434.html

サービスセンターの設置

全国約307カ所で1,500台相当のトラック使用を抑制

1つのサービスセンターにつきトラック使用を3~5台、全センターでは約1,500台分の抑制につながります。

佐川急便ではトラックを使わない「環境にやさしい集配」にも積極的に取り組んでいます。サービスセンターを拠点にして台車や自転車などを使った集配を行うことでトラックの使用を抑えることができ、CO2の排出抑制に大きく貢献しています。

  • サービスセンター拠点数は2025年3月度時点

集配用電動アシスト自転車「TRIKE CARGO」

2020年8月より導入している業務用電動アシスト自転車「TRIKE CARGO」は、従来の4倍となる150kg(軽トラック積載量の3分の1)までお荷物を積載することができます。

  • 東京都などの場合(各都道府県の条例により異なります)

モーダルシフトの推進

列車や船でお荷物を運びCO2排出量をトラックの10分の1に

トラックによる長距離貨物輸送を、大量輸送が可能でCO2排出量が少ない列車や船の輸送などに切り替える「モーダルシフト」。佐川急便ではCO2排出量抑制とつながるモーダルシフトを積極的に推進しています。

日本貨物鉄道と共同開発した電車型特急コンテナ列車「スーパーレールカーゴ」による貨物輸送には、2004年から取り組んでいます。1日の合計積載量は10tトラック56台分に相当します。
佐川急便は環境にやさしい鉄道輸送を認定するエコレールマークに協賛しています。

モーダルシフトによるCO2排出量抑制のイメージ

国土交通省:運輸部門における二酸化炭素排出量(2023年度)から作成

1tの貨物を1km輸送する際のCO2排出量は、トラックと比較して列車が10分の1、船が5分の1程度とされています。

モーダルシフトの進化形「貨客混載事業」

営業運行中の列車やタクシーで貨物と人を同時に運ぶ「貨客混載」。CO2排出量の削減につながることに加え、過疎地域においては雇用の確保や物流の効率化といったメリットがあります。佐川急便では鉄道やバス、乗合タクシーなど地域の輸送事業者と連携し、さまざまな形態での貨客混載に取り組んでいます。

貨客混載事業一覧

モード 事業者 開始 実施地域
鉄道 北越急行 2017年4月 新潟県六日町市(六日町駅)~上越市(うらがわら駅)
バス 伊予鉄道
宇和島自動車
瀬戸内運輸
2017年9月 愛媛県松山市、八幡浜市、宇和島市、今治市
タクシー 旭川中央ハイヤー 2017年11月 北海道旭川市
タクシー エムケイタクシー
JALエービーシー
2018年6月 大阪府~京都府京都市内
タクシー HEYタクシー 2018年11月 北海道当麻町
鉄道 松浦鉄道 2019年11月 長崎県松浦市(松浦駅)~長崎県佐世保市(潜竜ヶ滝駅)
バス 日本工営株式会社 2020年3月 宮崎県西米良村
鉄道(新幹線) JR北海道 2021年3月 新函館北斗駅~新青森駅
鉄道(新幹線) JR九州 2021年5月 博多駅~鹿児島中央駅

脱炭素につながるソリューションの提案

環境負荷の低い輸送モードによるサービスなど、お客さまの脱炭素化につながる商品・サービスの検討を積極的に行っています。その一つとして飛脚JR貨物コンテナ便を展開しています。
飛脚JR貨物コンテナ便は、佐川急便と日本貨物鉄道株式会社さまが共同で開発した鉄道を使用した輸送サービスです。長距離輸送にトラックではなく環境負荷の低い鉄道を使うため、輸送時におけるCO2排出量を約9割削減できます。日本貨物鉄道株式会社さまと荷送人さま・荷受人さまの間に佐川急便が入り、トラックで集荷を行い鉄道コンテナへの積み替えを行うことで、より簡単に鉄道輸送の利用が可能になります。

  • 駅から駅までの輸送に関わるCO2排出量を営業用トラックと比較した数値

「積み替えサービス」運用一例

集荷・配達 両側の駅で積み替えの場合

サービス概要

飛脚JR貨物コンテナ便の詳細はこちら

大型集約施設の運営

全国22カ所の大型集約施設で環境にやさしい輸送システムを構築

佐川急便では、各地域で集荷したお荷物を大型集約施設に集約し、行き先ごとにまとめて輸送するシステムを構築しています。トラックの使用台数を削減し、CO2排出抑制や大気汚染防止につなげています。

全国への輸送ネットワークを支える大型集約施設
2021年本格稼働した国内最大級の物流センター「X(エックス)フロンティア」
敷地面積:73,261.70m2(22,161.66坪)
延床面積:171,029.02m2(51,736.27坪)
荷物仕分能力:10万個/時(100万個/日)
※既存大型集約施設の4倍程度の取扱量
着車バース:296台

大型集約施設による輸送フロー

各地域から直行便でお荷物を運ぶ必要があります
各地域から、大型集約施設にお荷物を集約し、行き先ごとにまとめて運びます。

館内物流システム

大型商業施設の「人・モノ・車・情報・施設保全」を一元管理

佐川急便では、各地域で集荷したお荷物を大型集約施設に集約し、行き先ごとにまとめて輸送するシステムを構築しています。トラックの使用台数を削減し、CO2排出抑制や大気汚染防止につなげています。

「GINZA SIX」では、1階のツーリストサービスセンター「TERMINAL GINZA」に宅配カウンターを設置し、通常の宅配便と合わせて手荷物の一時預かり、国際宅配便の受け付け、空港やホテルまでの当日配送等を行っています。

館内物流システムを展開している大規模複合施設(一部)

日本橋室町三井タワー
(東京都中央区)
GINZA SIX
(東京都中央区)
SAKURA MACHI Kumamoto
(熊本市)
赤坂インターシティAIR
(東京都港区)
東京スカイツリータウン
(東京都墨田区)
東京ミッドタウン
(東京都港区)

施設ごとに異なる、立地や規模、テナント構成といった条件を考慮して最適なシステムを提供しています。

エコ安全ドライブ

ソフトとハードの両面から安全と環境負荷低減を追求

急発進や急ブレーキといった「急」が付く運転操作は交通事故発生のリスクを増幅させるだけではなく、燃料消費のロスにもつながるため、安全に配慮した運転は環境に配慮した運転でもあります。佐川急便では車両の安全運転、CO2排出低減のため、ドライバーの日々の運転についても徹底した指導を行っています。

佐川急便では、アイドリングストップを1997年から全車両で実施しています。アイドリングストップにより、無駄な燃料消費を防ぎ、CO2やNOX、PMなどを含む排出ガスの抑制を実現しています。1日に2時間のアイドリングストップを全車両で実行した場合、1年間(300日換算)で約3万トンのCO2排出を抑制することになります。

エコ安全ドライブ7カ条

1. ふんわりアクセル「eスタート」の実践

安全面の効果 ゆるやかな発進にゆとりが生まれ、周囲の安全確認が漏れなく行えます。万が一の場合でもすぐに停車でき事故を防止します。
環境面の効果 やさしい発進は燃料消費が少なくすみ、二酸化炭素(CO2)の排出や黒煙をへらすことができます。急発進は燃料のムダです!

2. シフトアップは早目に操作

安全面の効果 シフトアップを早目に行う事により、ゆとりある加速ができ、安全速度と車間距離を保ちます。
環境面の効果 早目のシフトアップは燃料消費が最小であり、二酸化炭素(CO2)の排出量を減らします。低速ギアの高回転は騒音と燃料のムダです!

3. 交通状況に応じた、定速走行での運行

安全面の効果 定速走行を実施すると、ひとつ先の信号や渋滞を見越した運転ができます。確実に安全確認の範囲が広がりゆとりが持てます。
環境面の効果 アクセルの踏み込みを一定に保つことで燃料消費が少なくすみ、二酸化炭素(CO2)の排出量を減らします。波状走行は燃料のムダです!

4. 十分の車間距離の確保

安全面の効果 十分な車間距離を保つことにより、追突の危険性が減ります。
前車の運転者の不安(ストレス)を防止します。
環境面の効果 前車と十分な車間距離を取ることで定速走行でき、燃料消費を少なくし、二酸化炭素(CO2)の排出量を減らします。

5. 早目のアクセルオフでエンジンブレーキの活用

安全面の効果 定速走行との連動で、前車の挙動や道路状況等、先を読んだ運転をするようになり、危険を予測した、防衛運転ができます。
環境面の効果 減速時、早目にアクセルを離すことで燃料供給が完全にカットされ、燃料消費量を最小に抑えることができます。

6. 駐車時は、キー抜き(エンジン停止)の励行

安全面の効果 適切な駐車処置(ギヤロック・サイドブレーキの二段引き)の徹底を行い、自走事故を防止します。車両盗難防止にも効果を発揮します。
環境面の効果 アイドリングストップとエアコンストップで燃料消費量を減少することができます。(エアコンは必要な時以外は使用しない!)

7. 日常の点検・整備と空気圧管理

安全面の効果 整備不良を原因とした交通事故を未然に防ぐことができます。不慮の故障やタイヤ交換等による焦りの事故誘発を防ぎます。
環境面の効果 タイヤの空気圧の不適正は、転がり抵抗が増し燃料費悪化の原因となります。タイヤの偏摩耗を防止し、寿命を延ばします。

エコ(環境)と安全を一体とした運転方法「エコ安全ドライブ7カ条」に基づく指導を徹底し、交通事故発生率の減少と環境負荷低減に努めています。

環境配慮型の物流施設

太陽光発電システムの設置

1年間で一般家庭約6,500世帯1日分の消費電力を発電

佐川急便では2003年度から営業所23カ所の屋上に太陽光発電システムを設置し、再生可能エネルギーを利用しています。
また、再生可能エネルギー電力への切り替えを進めています。電力使用量に占める再生可能エネルギー比率は、2024年度実績で61.3%まで向上しています。
グループ全体でもさらに規模の大きい取り組みを進めています。佐川急便東大阪営業所が入居する「SGリアルティ東大阪」では、発電電力を自家消費する方式を採用し、不足分の再生可能エネルギーを購入することで「CO2排出量ゼロ化」を実現しています。

電力使用量に占める再生可能エネルギー比率
61.3%(2024年度実績)

SGリアルティ東大阪は、「BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)」最高ランクである「ZEB」認証を取得しました。

LED照明の導入

411カ所の営業所や大型物流施設に導入

LED照明は従来の蛍光灯と比較すると、消費電力が少なく長寿命という特性を有しています。

営業所や大型物流施設411カ所にLED照明を導入し、環境負荷低減に取り組んでいます。
2024年度までに導入したLED照明によるCO2排出削減量は約17,000t-CO2、電気使用量にして約3,350万kWでした。

気候変動への対応(適応策)

佐川急便のBCP・BCM

佐川急便は、東日本大震災の経験を基に、2013年にBCP(事業継続計画)を策定し、BCP関連投資などの対策推進、大規模災害訓練、行政・企業間におけるBC連携の実施など、実効性あるBCM(事業継続マネジメント)の構築・改善活動を進めています。

気候変動リスクに対する対応として、各営業所を中心とした水害、土砂災害などの想定リスクをマッピングしたリスクレポートを活用してリスクや災害状況を見える化し、災害に備えています。

また、危機管理システムと防災タイムラインサービスを導入して、リアルタイムに発生する災害情報の収集や、気象予報に基づく防災情報を取得しています。

詳細はこちら

事前予測が可能な災害や突発的に発生する災害に対し、事前対策の実施および災害発生後の事業継続向上を図るため、BCP初動対応訓練を行っています。

特に気候変動による豪雨、洪水、高潮など水害リスクのある営業所に、水害対策および車両避難訓練を実施しています。

詳細はこちら
危機対応能力の向上に向けた取り組みはこちら

津波避難訓練

熱中症リスクへの対応

屋外で業務を行う従業員や営業所構内で仕分けを行う従業員が多いことから、猛暑による熱中症リスクへの対策に努めています。

熱中症対策品

お荷物の配達や集荷等の屋外業務時などにおいて、クールファンベストや首掛け扇風機、ネッククーラー等を適宜着用して業務を行っています。また、「経口補水液」と「保冷剤」の応急キットを車両に常備、塩飴や塩タブレットを適宜配布することで、熱中症を予防しています。

(例)熱中症対策品:クールファンベスト、
首掛け扇風機、ネッククーラー

WBGT測定器で暑さ指標をチェック

WBGT値を計測し、従業員に頻繁な水分補給や適切な小休憩を取るように促しています。

  • WBGT
    WBGTとは、気温・湿度・幅射熱から算出される「暑さ指数」のこと
WBGT測定器

従業員に対する熱中症予防の啓発

eラーニングを活用した従業員教育や、国交省が定める「運輸安全マネジメント」に基づき、衛生対策の一環として熱中症予防の啓発を実施しています。

LCA(ライフサイクルアセスメント)の状況

佐川急便では、宅配便事業における「LCA(ライフサイクルアセスメント)」に着目し、その結果を活用することで、Scope3 CO2排出量の約84%を占めるカテゴリ4調達物流からの排出量削減に取り組んでいます。モーダルシフトの取り組みの推進や、2026年7月に関西エリア大型中継センター(兵庫県尼崎市)を新設し、関西エリアにある4カ所の中継センターを集約することにより、調達物流のトラック台数削減、CO2排出量削減を図ります。

温室効果ガス(GHG)種類別排出量とScope3カテゴリ別排出量

カーボンフットプリントの算定

環境省による「令和6年度 製品・サービスのカーボンフットプリントに係るモデル事業」に参画し、飛脚宅配便1個あたりのCO2排出量を算定しました。

梱包資材や伝票の生産から、荷物の集荷や輸送、配達、梱包資材の廃棄までの各工程ごとのCO2排出量を算定した結果、個人向けのお荷物のCO2排出量は、1.25kg-CO2eとなりました。環境負荷の大きい工程に着目して排出削減に引き続き取り組んでいきます。

  • カーボンフットプリント
    カーボンフットプリント(Carbon Footprint of Product )とは、製品・サービスの原材料調達から廃棄、リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通した温室効果ガス排出量を、CO2排出量として換算した値のこと

詳細はこちら

気候変動対策におけるサプライヤーエンゲージメントの取り組み

佐川急便は、エコアクション21※1の「関係企業グリーン化プログラム※2」を通じて、パートナー企業さまの脱炭素に向けた活動を支援しています。佐川急便が主体となり関係企業に参加を呼びかけて、認定取得に向けたエコアクション21の構築・運用方法について学ぶ無償の勉強会を開催しています。パートナー企業さまがエコアクション21を通じて環境に関する情報を開示し、CO2排出削減等の環境活動を行うことで、運輸部門における物流のサプライチェーン全体のCO2排出削減を目指しています。

  • ※1
    エコアクション21
    環境省が定めた環境経営システムに関する第三者認証・登録制度。
    エコアクション21 Webサイト
  • ※2
    関係企業グリーン化プログラム
    エコアクション21を通じてバリューチェーンでの環境への取組を推進したい大手企業、会員、組合員企業の環境対応力強化を図りたい企業団体が主催するプログラム。

関係企業グリーン化プログラム参加企業数 
15社

気候変動への政策決定者との直接的なエンゲージメント

佐川急便は政府や自治体と災害協定を締結しています。災害時には協定に基づき、各避難所への緊急物資の輸送や物資集積拠点の運営などに協力します。
気候変動の影響による災害への対応に関し、佐川急便が培ってきた災害対応の経験を活かし、一刻も早い災害支援活動を行うためには、自治体などとの日頃からの連携が欠かせません。迅速な支援を可能にするため、政府や全国の自治体、大学、企業などと災害協定の締結を進めています。
また日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)に準会員として参画し、行政や政策立案者、業界団体などとの対話を通じて政府への気候変動問題に対する提言を行うなど、外部のさまざまな団体・プロジェクトに参画し、コミュニケーションを図っています。このほか、一般社団法人 日本物流団体連合会の環境対策委員会委員、気候変動イニシアティブ(Japan Climate Initiative)の賛同企業として活動しています。

JCLP 日本気候リーダーズ・パートナーシップ Webサイト
https://japan-clp.jp/

脱炭素と私たち ―なぜ取り組むのか―

SGホールディングスグループがなぜ脱炭素を目指すのか、気候変動をめぐる社会背景とともに解説します。

脱炭素と私たち ―どう取り組むのか―

脱炭素社会の実現にむけたSGホールディングスグループの取り組みをご紹介します。

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