いよいよ来月に迫る東京マラソン。世界を代表する7大会の一つに数えられるこのイベントには、毎年約38,000人のランナーが挑みます。その舞台裏では、実は佐川急便が2017年から大会運営に深く関わっていることをご存じでしょうか?ランナーが安心して参加できるように、どのような準備が行われているのか──今回は、東京マラソンサポートプロジェクトのリーダーに、その全容と大会運営に関わる想いを聞きました。

※取材当時
1. 「いかに本番を想定できるか」

半年前から始まる準備
「毎年同じことをしているように見えるかもしれませんが、実は状況によって準備内容は大きく変わります。だから、まずはスタートとフィニッシュエリアの現場調査から始まります。各エリアにトラックやカゴ台車※を何台配置できるか正確に測定します。この地道な作業が、イベントを成功に導くための最も重要な下準備なんです」
- カゴ台車
物流現場でたくさんの荷物を運搬するためのかご型の台車

“虎の巻”に込めた想い
「大会当日、300人以上のスタッフが正確で迅速に動けるように、自作のマニュアルを毎年更新しています。このマニュアルには、全員が共通の目的に向かって頑張るためのすべてが詰まっています」

本番を見据えたシミュレーション
「『計算上では問題ない』という思い込みに頼ることはありません。作業内容が大きく変わった場合などは、目で見て、手を動かして確かめることが、当日の作業をスムーズに進めるための大切なステップなんです」

前日確認が勝負どころ!
「大会前日、メンバーと現地へ向かい最も重要な最終確認を行います。ここで何かしら想定できていなかったことが出てくる。それが明日への成功だとポジティブに受け止めています(笑)」
2. 「すべてがこの日のために」

夜明け前から動き出すトラック
「まだ暗い早朝、約40台の大型トラックが都庁に続々と集結します。仕事柄、早起きは強いのですがこの日は特に気を引き締めてこれまで積み重ねた準備を無駄にしないよう万全を尽くします」

佐川急便が誇るチームワーク力
「普段の配達業務は一見、個人プレーが多い仕事のように思われがちですが、荷物が集中して配達が追いつかない場合、近隣のドライバーがすぐ応援に駆けつけます。普段のチームワークをここでも発揮します」

いってらっしゃい!の気持ちで
「スタート2時間前の7時からランナーの手荷物預かりが開始。
気温が低く寒いので、スタート直前まで防寒具を着ているランナーの方が多く、8時頃からピークを迎えます。“頑張ってくださいね。いってらっしゃい!”という気持ちでボランティアスタッフの方々と一緒に笑顔でランナーの方を送り出しています」

急げ!大型トラックへの積み込み
「お預かりした手荷物がはいったカゴ台車をトラックに積み込みます。約38,000個の荷物を約40台のトラックに20分間で積み込む、これにはメンバー全員プレッシャーもあるなか毎年オンタイムでできています。」

フィニッシュ地点へ出発
「ランナーがスタートとしたのと同時刻の9時。大型トラック約40台が一列になってフィニッシュ地点に向けて発車します。この日のためにピカピカに磨き上げられたトラックが次々と発車していくシーンは、日頃トラックを見慣れた私たちから見ても壮観です」
3. 「笑顔と声援で包まれるとき全てが報われる」

ランナーの手荷物を準備
「手荷物を積んだ大型トラックがフィニッシュ地点周辺に到着。大手町から有楽町エリアにかけて計8カ所に大型トラックを配置させて、ランナーがフィニッシュする前にはカーゴを降ろし、手荷物をお渡しできる準備を終えます」

笑顔とエールを届ける
「フィニッシュ地点ではランナーに拍手と声援が送られます。手荷物を受け取りにきてくれた瞬間、ようやく私たちもホッと一息つける気持ちになります」
4. 「舞台裏の“ウラ側”」知られざる取り組み

ランナーを支えるための輸送
「実はあまり知られていませんが、ランナーの方が飲まれるドリンクや食料の輸送も佐川急便が担っています。その数は、コップだけで約854,800個と、膨大な量にのぼります」

コース周辺を守る大型トラック
「決して駐車マナーが悪いわけではありません(笑)。マラソンコース周辺の道路はほとんどが交通規制されています。そのため、広い道路に大型トラックを停車させ、道路の封鎖を手伝っています」

何をしている写真かわかりますか?
「規制された道路を横断するのは簡単ではありません。地域住民の方々にとって普段の生活に支障が出ないように、たとえば歩道橋を使って自転車を担ぎ渡るお手伝いなどのサポートをボランティアの方々と一緒に行っています」