SDGsへの取り組み
持続可能な開発目標(SDGs)とは
持続可能な開発目標(SDGs)とは、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。
SDGsコミュニケーションブック2022 ― 脱炭素特集 ―
幅広いステークホルダーの方々に向けて、SGホールディングスグループの脱炭素に向けたアクションを紹介しています。
佐川急便の取り組み
佐川急便は、社会課題を解決し、持続可能な社会の実現に向けた活動を積極的に展開しています。
取り組みテーマ | SDGsとの関連 |
---|---|
貨客混載事業、館内物流システム、スマートインポート®、ドローン輸送、持続的で安定したインフラ構築に向けたDXの取り組み |
|
ドライバーコンテスト |
|
女性活躍推進、LBGTの取り組み |
|
エコユニフォーム、ストレッチフィルム再利用の事例、災害備蓄品の再流通支援サービス |
|
脱炭素に向けた取り組み |
|
森林保全活動 |
|
安心・安全なまちづくり |
|
1. 進化した物流ソリューションの提供
貨客混載事業
地方を中心に「貨客混載」の事例が増えています。貨物と人の相乗りによって輸配送の効率化が期待できるほか、人口減少に直面している地域の交通インフラ維持、そしてトラック輸送によるCO₂排出量の削減といった環境負荷低減などのメリットが見込まれます。
佐川急便では、地域の鉄道、バス、タクシー事業者と業務委託契約を結び、新たな輸送ネットワークを構築することで、地域の交通インフラ維持や環境負荷低減だけではなく、従業員の働き方改革や業務の効率化にも効果が出ています。
館内物流システム
佐川急便は、大型複合施設やいくつもの企業が入居するオフィスビルなどで「人・モノ・車・情報・施設保全」の一元管理を行う「館内物流システム」を提供しています。
納品車両、搬入導線、物流に伴う入退館者、貨物用エレベーターの運行調整などの管理によりスムーズな搬入出作業が可能となるだけではなく、納品車両をコントロールすることで、施設周辺の渋滞緩和、待機車両による排気ガス(CO2、PMなど)の削減にも効果があります。
社会インフラを担う物流事業者として、お客さまやパートナー企業さまと連携し、質の高い物流サービスがご提供できるよう努めています。佐川急便を中心とした先進的ロジスティクスプロジェクトチーム「GOAL®(Go Advanced Logistics)」の結成により、SGホールディングスグループの各事業会社が持つ多彩な機能を融合させ、お客さまへの最適な物流ソリューションの提案に取り組んでいます。提案領域を広げ、物流インフラを拡充することにより、物流の新たな価値の創造、そして、お客さまに喜ばれるサービスの開発を継続していきます。
ドローン輸送
さまざまな地域課題を解決する輸送方法として、ドローン輸送の実証実験を行っています。
ドローン輸送の活用方法として、離島・山間部などのトラック輸送が難しい地域への、日用品や医薬品の配送や、災害時の被災地への支援物資などを輸送しています。
持続的で安定した輸送インフラ構築に向けたDXの取り組み
最新テクノロジーの導入やデータの蓄積・活用により、10年後、20年後を見据えた持続的で安定したインフラを構築します。
官民連携でLv4自動運転※社会の実現に必要な要素(事業モデル、高速道路インフラ、法制度、車両遠隔監視に必要なデータ連携、等)を検討しています。
- Lv4自動運転
運転に必要なドライバーの能力(認知、予測・判断、操作)を、自動運転システムが替わって行います。
荷役作業の自動化・省人化につながる実証実験を実施しています。トラックへの荷物の積み込みを自動で行うロボットを導入し、AIが荷物の大きさや形状を識別、割れ物はトラックの上の方に積むなど、ドライバーの代わりに自動で積み込むことで作業時間を省くことができます。
2. 交通安全
佐川急便は、約2万6千台の車両を保有し、公共の道路を使用して事業を営む運送事業者として「安全は全てに優先する」という安全目標を掲げ、日々交通事故の抑止に努めています。新入社員を対象とし、運転操作や安全確認の基礎となる「安全運転基本要領」を学ぶ安全運転基礎研修などの各種研修、社内ライセンス制度の導入、安全補助装置を含むハード面の強化など、日頃から交通事故抑止に取り組んでいます。また、ドライバーコンテストを定期的に開催し、交通安全に対する意識と運転マナーの向上を図っています。
3. DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)
佐川急便では、台車や自転車で集配を行うサービスセンターの設置や、スワップボディ車の導入などにより、女性が活躍できるフィールドが増えています。スワップボディ車は、荷台とシャーシの脱着が可能なため、運転業務と荷役業務を分けることができ、女性ドライバーでも安心して運転業務に専念することができます。このように、従業員がいきいきと働くことができる企業へと成長するために職場環境を改善することで、雇用の促進や定着率、多様性の向上に取り組んでいます。
LGBTの取り組み
佐川急便として『誰もが働きやすく、やりがいのある職場』を目指していく中で、LGBTについて適切な知識や認識を持ち、誰もが適切な対応をしていることが重要であると考え、SGホールディングス主導の勉強会に加え、佐川急便独自では、eラーニングを使用し、全従業員向けに基礎知識の習得を定期的に行っています。また、2022年度は全ての管理監督者を対象にLGBT教育を行い、賛同者によるALLY宣言も同時に実施いたしました。今後も対象範囲を広げ、継続的な教育を実施し取り組んでまいります。
ALLY宣言書に同意した従業員を対象に、ALLYグッズとしてステッカーを配布。パソコンやスマートフォンに貼ることでALLYの輪を広げる活動を展開しています。
4. 資源循環
セールスドライバー®が着用しているユニフォームは、原料にペットボトルをリサイクルした再生ポリエステルを使用したエコマーク認定商品を採用しています。半袖で6本、長袖で8本の500mlペットボトルを再利用しており、使用済ユニフォームの中で使用回数の少ないユニフォームはリユースしています。
近年、プラスチックごみによる海洋汚染や海洋生物の生態系への影響が世界的に問題視されています。これからもプラスチックごみの削減へと繋がる資源の循環利用を推進していきます。
ストレッチフィルム再利用の事例
輸送に使用したストレッチフィルムを再利用する取り組みを野添産業株式会社さまと進めています。使用済みのストレッチフィルムはこれまで産業廃棄物として排出していましたが、野添産業さまが佐川急便の拠点から回収したのち、ポリエチレン製ゴミ袋などの原材料として活用し、製造されたゴミ袋を佐川急便が購入しています。
今後もストレッチフィルムを再利用する取り組みを通じて、廃棄物排出量の削減を図っていきます。
ストレッチフィルムの再利用スキーム
災害備蓄品の再流通支援サービス
賞味期限の近い災害備蓄品の再流通支援サービスを展開しています。お客さまの経営課題を解決する新たな物流ソリューションと、SynaBizさまが運営する寄付型ショッピングサイトOtameshiを活用することで、お取引先企業が保有する賞味期限が近い災害備蓄品の廃棄ロス削減によるSDGs達成と社会貢献に寄与します。
5. 気候変動
全世界で2100年までに気候変動の原因である温室効果ガス(CO2)の排出ゼロを目指した取り組みが進められています。
佐川急便は、保有する約2万6千台の車両のうち、約19,000台(2024年3月末時点)の環境対応車(CNG車〔天然ガス〕、ハイブリッド車、電気自動車、クリーンディーゼル車など)を導入しています。
鉄道や船舶を使って輸送するモーダルシフトも推進しており、トラックと比較すると鉄道が10分の1、船舶が5分の1と、CO2排出量の抑制に大きく貢献しています。
6. 森林、生物多様性の保全
佐川急便では、自然環境の保全と地球環境との調和を意識した環境活動として東京都八王子市に保有する「高尾100年の森」で森林保全活動を行っています。
トラックから排出されるCO2の吸収源となる「地球温暖化防止に役立つ里山」、「人と自然が共生する里山」の再生を長期的なビジョンのもと進めています。
また、次世代を担う子どもたちを対象とした自然体験学習を開催するなど、環境人材の育成にも取り組んでいます。
保全活動の様子や、自然体験学習の様子はウェブサイトでも紹介しています。
7. レジリエンス
佐川急便では、地域との災害協定や包括連携協定、地域見守り協定を締結し、安心・安全なまちづくりにも貢献しています。
災害時の緊急支援物資輸送や、自治体の防災訓練への参加、地域産品の流通促進、観光振興、子どもや高齢者の見守りなどさまざまな活動を通して、地域と相互の強みを活かし、連携しながら地域創生に資する活動に取り組んでいます。