物流のプロが解説!~今日から実践できる荷物積み込みのコツ~

2025.02.03
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スーパーでの買い物帰り、車の後部座席やトランクから「ドサッ」「グシャッ」と荷物が崩れる音が聞こえて、冷や汗をかいた経験はありませんか?

買い物に限らず、キャンプの荷物一式を車のトランクに積み込むとき、自家用車を使って自力で引っ越しを行うとき…
日常生活で限られたスペースにたくさん、崩さないように荷物を積み込んで運ぶ場面って結構ありますよね。

今回は、日々多くのお荷物を扱う佐川急便の従業員の目線から、日常生活ですぐに実践できる荷物積み込みのコツをご紹介します。
先日まで営業所でセールスドライバー®として活躍していたWさんと、これまで数多くの営業所メンバーに荷物の積み込みのコツを指導してきたKさんにお話を伺いました!

教えてくれた人

セールスドライバー®歴4年 Wさん

3カ月前にセールスドライバー®から広報部員に転身。新人ドライバーだったころ、トラックに綺麗に積み込むことができずに苦労したが、日々「テトリス」をやり込んで感覚を身に着けた努力家。

セールスドライバー®歴8年 Kさん

セールスドライバー®時代の経験をもとに、長年にわたり、荷物の積み込みの極意を数多くの営業所メンバーへ伝授。

ポイントその1 どの順番で積み込むか

Kさん

セールスドライバー®は普段、効率よくお届けするために、できるだけ荷台の中での作業を少なくし、お客さまのお荷物に何度も触れることのないようにします。非常に重いものは手前(荷台の扉側)に置いておけば、結果的に作業の効率が良くなります。

Wさん

取り出す順番と配置をあわせるのもポイントです。普段、配送ルートや日時指定を確認し、最後にお届けするお荷物からトラックの奥(運転席側)に、最初にお届けするお荷物を手前(荷台の扉側)になるようにして、スムーズにお届けすることを意識していました。

お届けするところまで考えて積み込みます

取り出す順番に応じて配置を考える…当たり前のようで、意外と実践できていないポイントではないでしょうか。筆者も、クローゼットや冷蔵庫の中を思い返しながら猛省しました。

ポイントその2 重さがかかる方向に注意

Kさん

全体のスペースに対して、片側に寄せて積み上げてしまう(棒積み)と、側面から崩れる原因になります。左右交互に隙間ができるように積むと、力が分散して崩れにくくなります。
また、ブレーキをかける際に、前(運転席側)に力がかかって停車するため、その反動で後ろから崩れやすくなります。特に高く積み上げる時は、横から見た面がデコボコにならないように揃えたり、他のものと組み合わせて動かないように固めたりすると良いですね。

自家用車のトランクに荷物を積み込む場合は、できるだけ奥(運転席側)の角から固めたり、奥行きを埋めるように並べたりする工夫で、動きにくくなるんだとか。

筆者も家族に協力を仰ぎながら、実践してみました。
まずは、台車・収納ボックス・スポーツ用のかばんなどから先に積み込みます。これで奥を固めることができました。

そして、トランクを開けてすぐ取り出せる位置に買い物袋やクリーニングの衣類を入れて完成です。

あらかじめ「壁」を作っているので、前後に荷物が揺れ動くことなく、無事に自宅まで持ち帰ることができました!

ポイントその3 段ボールの形状に注意

Kさん

段ボールは波状の紙が縦に並ぶ構造なので、上からの重さや圧力には強いですが、横からの衝撃には弱いです。そのため、縦方向に力がかかるように、ふたとなる面を上にして、箱を横倒しにしない、これが鉄則です。

これからの季節、引っ越しや新生活の準備で段ボールが活躍する場面が多くありますが、正しい使い方になるように意識したいですね。
ちなみに、2段以上に重ねるときは同じ向きばかり揃えるのではなく、向きを変えて交互に積むと、さらに崩れにくくなりますよ。

ジェンガのように向きを変えて重ねると、崩れにくい

荷物の積み込みは、ちょっとした工夫で大きな違いを生み出します。
日常生活の中でも、“プロの知恵”を、ぜひ活用してみてください。