第4回「高尾100年の森で里山ワーク2019」開催
2019.12.15
12月15日(日)、第4回「高尾100年の森で里山ワーク2019」が開催されました。
このプログラムはユース世代(高校生から大学生)を対象に、里山を知り、里山の保全作業を行いながら幅広い世代と交流を深める活動です。
今回のプログラムは「年末!冬の大整備」です。参加者21名が、チームに分かれて「そだ※」の周辺や落ち葉ヤード、沢沿い周遊道の保全活動を行いました。
- そだとは、山の斜面に木の枝などを編むように配置して作った段のこと。
「そだ」に植えた植物に“たい肥”をまこう!
「高尾100年の森」にある落ち葉ヤードには、歴代の参加者が落ち葉を集めてつくった栄養豊富なたい肥があります。
2018年の落ち葉ヤードづくりの様子はこちら:第4回「高尾100年の森で里山ワーク2018」
2017年の落ち葉ヤードづくりの様子はこちら:第6回「高尾100年の森で里山ワーク2017」
今回は、その植物の生育に必要となるたい肥を、今年5月に「そだ」へ植樹した植物の根元にまくことで森の循環について理解を深めます。
斜面への植樹の様子はこちら:第1回「高尾100年の森で里山ワーク2019」
作業の流れはいたって簡単!スコップを使いたい肥をバケツに入れ、「そだ」がある場所まで運び、植物の根元にまいて、やさしく踏み固める…の繰り返しです。なんとも単調な作業ですが、多様な生き物が集まる環境づくりには、とても大切な作業です。その必要性を十分に理解している参加者たちは、使い慣れないスコップや重いバケツに、めげることなく、着々と作業を進めます。
落ち葉かきと落ち葉ヤードづくり
朽木に集まるカブトムシの幼虫や、微生物を分解し土壌を若返らせてくれるミミズなど、多種多様な生き物を引き寄せる「落ち葉ヤード」をつくります。
まずは、フィールド一面に散らばった落ち葉を、竹ぼうきや熊手を使ってブルーシートの上に集めていきます。いっぱいになると、落ち葉ヤードまで運び入れて、そしてまた戻って落ち葉かき!落ち葉かきをすることで、落ち葉でふさがれていた太陽の光が地面にあたり、植物の種が発芽しやすくなります。来春は、この森にどんな生き物が集まってくるのでしょう。
沢沿い周遊道の整備
2019年は度重なる台風の影響により「高尾100年の森」もいたる所で、その爪痕が残っており、特に沢沿いは、大雨の影響で地表の土壌や岩壁が崩れた状態になっています。そこで今回は、えぐれた沢沿い斜面下の岩壁をもとに戻す作業を行います。
まずは、生々しい自然被害の状況を確認します。ポッカリ穴が開いたようにえぐられた斜面を見て参加者たちは茫然。自然災害の恐ろしさがリアルに感じとれます。状況を確認した後、周辺に散らばる大きめの石を見つけて穴に埋めていきます。石は個人プレーで運ぶのではなく、数人が一列に並び石リレー方式で運びます。「これ重いよ!」、「はい!一回ストップ」と、とても連携が取れており、スムーズに作業が終わりました。
お待ちかねのランチタイム!
今回のメニューは、ダッチオーブンで焼いた「鳥の丸焼き」と体の芯から温まる「野菜たっぷりのポトフ」。鳥の丸焼きに初めて挑戦する参加者は慣れない手つきで下味(塩、レモン)をつけます。たき火でじっくり焼いていくと、食欲をそそる匂いが漂います。2品とも美味しくいただきました。
自然の恵みを活用した階段づくり
おいしい昼食を食べて体力を回復させた後は、この森にある木を活用して、沢沿いを安全に上り下りするための階段を作っていきます。スコップで土を掘り、段差を作って、適度な長さに切られた木をハンマーで打ち込みます。最初は何もなかったところに、みんなで何か一つを作り上げると、何とも言えない達成感が込みあげてきます。
次回の里山ワークは3月29日(日)。毎年春になるとこの森に咲き乱れるニリンソウのお花見をしながら保全活動を進めます。来春も可憐なニリンソウが見られると思うと、今からワクワクしてきます。