「もっと綺麗にできるから洗車手伝うよ」
懸命に洗車しているこの風景、ふと先輩の言葉がよみがえります。
あれは4年前、新人ドライバーだった私は、いつものように配達を終えてトラックの洗車をしていました。
佐川急便では、トラックの洗車を定期的に行っています。ガラスやタイヤの外観磨き、荷台の掃き掃除だけではなく、目に届きにくい細部にまで手を伸ばします。

冬の洗車は、辛いもので次第に手の感覚が無くなるほど水は冷たく、体に応えます。その日はほどほどに洗車を終わらせて、上司に確認をお願いしようと考えていました。その時、先輩がブラシを持って駆けつけてくれて、暗い寒空の中、洗車を手伝ってくれたのです。先輩は、私のトラックの運転シートの下の隙間からハンドル回りまで、誰にも見られないような場所まで丁寧に磨き上げました。当時の私には、本当にそこまで清掃する必要があるのだろうかと、理解ができませんでした。
ある日、上司に清掃を確認してもらった際、細かい汚れ、特にタイヤ周りの泥除けの見落としを指摘されました。上司は言いました。「私たちが扱うお荷物には食品もたくさんある。細かい汚れであっても、きちんと清掃されていない車から配達されたら、お客さまはどう思う?」その言葉に、私は自分の認識の甘さを痛感しました。
トラックへの愛着:「相棒」を丁寧に洗車
トラックは、配達するエリアごとに決まった車両を使用します。そのため、セールスドライバー®は基本的に同じ車に乗ることが多く、自然とその車に愛着が湧いてきます。長時間同じ車に乗ることで、トラックはまるで「相棒」のような存在に感じられます。洗車を通して、車を大切に扱う気持ちが育ち、それに伴い優しい運転に繋がり、事故防止の意識も高まります。

未来への架け橋:洗車が繋ぐ信頼の輪
タイヤ清掃では傷や摩耗の発見もできます。さまざまな道路や土地を走るのでタイヤは特に汚れやすくなります。いかに長く綺麗に保てるか、腕の見せ所です。こうした日々の取り組みにより、洗車を通じて得られる車体の細かな変化への気付きが、安全運転にも繋がっています。
セールスドライバー®の誇りと創業以来受け継がれてきた“飛脚の精神(こころ)”によって私たちの「相棒」は磨かれています。洗車を通じて培われる誇りと信頼は、単なる車両の清掃に留まりません。それは、私たちセールスドライバー®が日々の業務を通じて築き上げるお客さまとの信頼関係の象徴でもあります。これからも「相棒」と共に、私たちは信頼の輪を広げ、未来へと繋がる架け橋を築いていきます。

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