かつてモーダルシフトは、1997年に先進国に対して温室効果ガスの削減目標を義務付けた京都議定書が採択された際、トラック輸送から鉄道や船舶に転換することでその有効な対応策として話題となりました。そして「物流2024年問題」では、トラックドライバーの年間時間外労働時間が制限されることから、ドライバーの長時間運転を抑制する有効な対応策として、再び注目されています。
2023年6月には、物流の革新に関する関係閣僚会議が取りまとめられた「物流革新に向けた政策パッケージ」において船舶へのモーダルシフト推進が明記され、官民挙げてその利用促進に向けて動いています。

佐川急便では、トラックによる貨物輸送に加え、一度に多くのお荷物が輸送できる長距離フェリーを積極的に活用しています。この輸送では荷台を切り離せるトレーラーを使用し、荷台のみをフェリーに乗船させることでドライバーの乗船が不要となり、拘束時間が短縮されてドライバーの業務負担の低減につながります。また、トラックの走行距離が短縮できるのでトラックから排出されるCO?の削減にも貢献します。関東から九州間のトラック長距離幹線輸送の一部をフェリーに代替したところ、1年間(2022年4月~2023年3月の1年間)でCO?排出量は48%削減、ドライバーの運転時間は86%削減できました。