定期保全作業

保全活動の記録

2016.06.14

梅雨の合間の曇り空で、作業をするには丁度良い気温でした。今回の定期保全作業は間伐(※1)予定地の大刈り(※2)と、間伐する立木の選定を行いました。対象となる場所は、メインフィールドから約15分歩いた場所です。この場所までは事前に短縮ルートを数回に分けて整備をし、伐採機材を持ち込みやすいようにしておきました。

まず、林間のアオキやウツギ、カシ類の低中木を伐っていく「大刈り」を行い、作業環境を整備していきます。同時に間伐対象木を選定して目印にテープを巻いていきます。中には枯れた木や、育ちが著しく悪い木もあり、それらは間伐前に伐採しておきます。

作業は手鋸(てのこぎり)と鉈(なた)を使うのと同時に、太い幹のカシ類などはチェーンソーを使って処理をしていきました。目線の高さ位の低木が主ですが、処理されると見通しが良くなり明るい林間になっていきます。伐られたものはある程度まとめて置き、間伐作業に影響がないようにしておきます。

午前中で対象となる林分の8割方の作業を終えて、見晴らしの良いポイントを場所にしてのお弁当は、山でしか味わえない楽しみのひとつ。今後の「高尾100年の森」の景観整備について話し合いながら皆さんと昼食をとりました。

昼食後は残りの大刈りを済ませてメインフィールドに戻り、3月に菌打ちをして仮伏せしておいたシイタケと、ナメコのホダ木の本伏せをしました。ナメコは今年の秋ごろ、シイタケは来年の収穫が楽しみです。次回の定期保全作業は、除伐作業をした後、間伐作業となります。

  • 1 間伐
    倒れかけている木や枯れた木等の不要な木を伐採することで日当たりを良くし、生物の多様性や、健康な木がより健康になるように人為的に手入れを行うこと。
  • 2 大刈り
    木の生長の妨げになる雑草や低木を刈り取ること。
等高線に沿って横に移動しながら低木を伐採していきます。ところどころに処理木を固めておき、間伐作業に支障がないようにしておきます。
つる性の植物も間伐のさいに支障を来すため、一緒に処理しておきます。40年生とはいえ全体的に幹の生長が悪く、その代わりに樹高は20m近くになるものが大半を占めます。
条件が良いと遠くは茨城県の筑波山が見通せるビューポイントでの昼食。今回の整備箇所はこの直ぐ側。風が吹き抜けて気持ちも良い場所なので、作業が捗るかも!?
ホダ木が増えました。3月4月にもたくさんのシイタケが収穫でき、今回は天然のキクラゲが整備した広葉樹の林で確認できました。初夏のころでもキノコの収穫が楽しめます。