持続可能な商品流通を確立するため、卸売業と物流の高度な連携を実現事例・実績

株式会社PALTACさま
(化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業)
小売・流通

「商品流通の全体最適化」という経営課題解決のため、パートナーを探していた

医薬品・日用品を中心に、生活に欠かせない商品の中間流通を担っているPALTACさまは、「人々の暮らしになくてはならない商品を、どんな時も確実に・安定的にお届けする」という理念のもと、卸売業の立場からサプライチェーンの全体最適を実現するための取り組みを推進しています。

サプライチェーンの全体最適実現のためには、物流の強靭化も欠かせません。一方で物流業界では「物流の2024年問題」が間近に迫り、ドライバーの人手不足から車両確保が困難になるなど、多くの課題が顕在化しています。そのため、PALTACさまは経営課題解決のため、物流のプロフェッショナルとして協力できるパートナーを必要とされていました。

佐川急便は近年、段ボール箱1個単位で運ぶ従来の宅配便に加えて、カゴ台車単位で商品のルート配送を行う小売流通向け輸送網の整備にも力を入れています。また、物流の高度化・強靭化を目指して、異業種との連携強化にも努めてきました。

こうした背景を基に、両社は卸売業と物流業というそれぞれの立場から、まずは現場担当者同士で情報交換を行っていきました。

両社の強みを組み合わせることで、持続可能な物流を実現する!

担当者同士の交流は会社同士の連携へと拡大し、2023年3月に締結された「サステナブル・ロジスティクス連携協定に向けた基本合意」へと結実しました。

両社は小売業の商品流通における「物流の強靭化」を目指し、まずは合同でワーキンググループを設立しました。PALTACさまからは、物流改革担当者と全国の物流センター長が参加され、佐川急便からは先進的ロジスティクスプロジェクトチーム「GOAL®」のメンバーが参画。佐川急便の全国ネットワークを生かした輸送網の強化や、両社が培ってきたノウハウを組み合わせて物流センターの業務改善を図るなど、包括的な連携が始まりました。

このワーキンググループの活動によって実現した連携事例の一つが、ドラッグストアA社さまの商品流通網最適化です。

従来、A社さまの商品物流は、非食品・食品の2つに分かれ、それぞれ別の物流会社が輸送を担当していたことが非効率でした。そこで、一部の遠隔エリアにおいて、非食品・食品の物流を一元化。PALTACさま(物流センター運営)が物流受託し佐川急便が中継デポ運営と輸送を担うことで、業務効率化とトラック台数の削減を目指しました。

佐川急便は、全国規模の輸送網を生かして車両手配を行い、カゴ台車輸送の共同配送スキームを構築。店舗近郊に輸送の中継点となるデポを設置することで、ドライバー一人あたりの輸送距離を短縮しました。ドライバー不足が問題となっているエリアで、輸送基盤の強化と輸送コスト最適化を実現しました。

また、全国のGOAL®メンバーがPALTACさまの運営拠点の視察を実施。佐川急便がこれまで行ってきたお客さまの業務改善ノウハウを生かして、輸配送における現状把握と継続的な効率化を図るスキームをお客さまと一緒に構築し、全国の拠点への展開を進めています。

両社の連携はこの一事例にとどまりません。佐川急便が全国に持つ顧客企業のネットワークを生かして共同配送のパートナーをご紹介するなど、社会全体のサプライチェーン最適化を目指して、さまざまな取り組みを進めています。

Before

After

課題

商品流通の全体最適を実現するため、パートナーとなる物流事業者が必要でした。

ご提案

卸売業・物流業の垣根をまたいだ連携協定を締結。佐川急便が培ってきた小売流通輸送や共同配送、輸送マネジメントにおける物流コンサルティングなどのノウハウを生かした、総合的な物流改善をご提案しました。

成果

ドラッグストアA社さまの商品流通網の全体最適を実現。さらに、一社ごとの事例にとどまらない、より広範囲の連携を深めています。

お客さまの声

2024年問題が目前に迫る中、特に物流センターから物量がまとまりにくいエリアでの遠隔地配送は、当社にとって非常に大きな経営課題でした。当社には、生活必需品を安心・安全に供給する社会インフラ企業として、つくる人も、売る人も、買う人も幸せにするという「使命」があります。

その中で、今回の佐川急便さまとの取り組みは、当社の新たな遠隔型物流モデルとして、商品の安定供給はもちろんのこと、サプライチェーンの全体最適化に大きく貢献する内容であったと感じております。具体的には、配送トラックおよび、配送に伴うCO2について、従来ベースの2割~3割の削減が実現しました。さらに、これまで別々であった、非食品と食品の配送を一元化することで、小売業さまの店舗オペレーション効率化も図れております。

昨今の労働人口減少によって、「働き方改革」、「省人化」、「業務効率化」、「品質向上」など、物流に関連する経営課題は山積みです。そして、これらの経営課題を解決するためには、物流DXを避けて通れません。今後、佐川急便さまには、全国拠点における輸送マネジメント強化のサポートをお願いしたいと考えております。輸送データを蓄積し、課題解決に向けたKPIの可視化などを佐川急便さまから学び、新たな輸送KPI管理の確立を通じた、輸送効率化によって、2024年問題という大きな試練を乗り越え、いつまでも商品を安定供給できるサプライチェーンを実現したいと思います。

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