高尾100年の森とは
「高尾100年の森」プロジェクトは、佐川急便が所有する高尾の森林約50ヘクタールを対象に、地域の方々の理解を得ながら、市民、大学、企業などの協働による里山管理という新たなスタイルによって「100年」という言葉に象徴される、ゆったりとしたタイムスケールで整備・保全活動を進めようというものです。
なぜ佐川急便が森を保全するのか
地球温暖化による気候変動が国際的な問題となっている中、企業にも温室効果ガス排出の削減が求められています。
佐川急便は約2万台のトラックを保有しており、走行中に排出される温室効果ガスの削減に努めなければなりません。
そのため、物流事業によって排出される二酸化炭素の吸収源として、また、環境省が推進するネイチャーポジティブ(自然再興)※の実現に貢献すべく、森林の整備を通じた生物多様性の保全に取り組んでいます。
- ネイチャーポジティブとは自然環境の保全と回復を目指す考え方
「高尾100年の森」プロジェクトの
コンセプト


里山を整備することで広がる
生物多様性の輪
人里から少し離れたところにあるこの森には、たくさんの生き物が暮らしています。
適切な間伐や水辺の保全を行うことで、より自然豊かな森になるとともに植物をはじめ昆虫や鳥たちが増え、森の生態系が豊かになっていきます。私たちは、物流事業によって生じる環境への負荷を低減しながら、豊かな自然環境を未来に残していくことも当社の責任だと考えます。
これからも、人と自然が共生する里山を目指して、活動を続けていきます。
森づくりを通じた、多様な“体験の場”
「高尾100年の森」では、里山とともにあった生活文化、里山を守る知恵、里山にある自然の恵みの利用を通じ、身近な自然と人とのつながり体験することができます。「体験の機会の場」として、子どもから社会人まで、幅広い世代に活用していただいています。
- これらのプログラムは一例であり、インストラクターが必要な特別なものも含まれています。

森の軌跡

2007年 プロジェクトスタート
私たちは、東京・高尾の社有林で「自然との共生」をテーマに「高尾100年の森」プロジェクトをスタートさせました。
荒廃しつつある里山に着目し、生態系豊かで、持続可能な社会づくりを目指します。
2007年~ 森を再生させる取り組み
地域の方々の理解を得ながら、佐川急便が主体となり、里山管理を行っています。
多くの生き物が育つ土壌を築くためには、十分な光が森に差し込み、適度な間伐や下草刈りを行うことが大切です。


2014年~ 生物多様性調査を開始
季節ごとに森の生態系を記録する調査を開始しました。
明るく保全された場所に生息するニリンソウの群生など、多種多様な生物を確認しています。


2016年 体験の機会の場認定
環境保全活動や自然体験教室などの取り組みが評価され、八王子市より「体験の機会の場」に認定されました。
東京都としては初の認定事例となります。
2020年 SEGES(シージェス)に認定
社会・環境機能の価値を総合的かつ客観的に評価する「緑の認定」SEGES(シージェス)制度にて、「高尾100年の森」がExcellent Stage 3に認定されました。


2024年 自然共生サイトに認定
「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」を環境省が認定する「自然共生サイト」に認定されました。(令和6年度後期認定)
ネイチャーポジティブの実現に向けた取り組みの1つであり、30by30の達成に貢献します。
生物多様性および生態系保全に向けた目標(2023年度)
- 保全活動の実施回数:年間10回
- 生態系調査の実施回数:年間4回