定期保全作業

保全活動の記録

2016.08.23

以前整備を行った場所に、高木化したヤマザクラとホオノキの落葉広葉樹があり、今回はこの2種類の伐採を行いました。2種類とも胸高直径で40cm近くになり、株立ち(※1)した状態から以前に伐採されて萌芽更新(※2)したものだと思われ、周囲の状況から樹齢は40年を越えていると推察します。どちらも高木化に加え、傾斜地にあるため枝が極端に谷側にせり出した格好で立ってしまっています。
木の重心位置を判断しにくい広葉樹は、針葉樹と違い伐倒が難しく、安全に伐倒するには注意が必要です。地面が滑りやすいため足場の確保や、安全に退避できるエリア作りなどの準備をしてから作業を行います。
なんとか2本とも安全に伐倒ができ、切った後は枝の処理をして、一定の長さに玉切り(※3)を行いました。 これらの木は、それぞれ木工品などに利用されていた歴史があります。しかし、現在では利用されることも少なくなり、切っても「チップ材」として比較的安価に取り引きされてしまいます。また、運び出す手立てがない場合は、放置されてしまうことも多く、有効に利用されることは極めて希ですが、今回は協働作業サポーターの日本山岳会の皆さんがクラフトなどに活用してくださることになりました。

  • 1 株立ち
    一本の茎の根元から複数の茎が分かれて立ち上がっている様子。
  • 2 萌芽更新(ほうがこうしん)
    樹木の伐採後、残された根株の休眠芽の生育を期待して森林の再生を図る方法。
  • 3 玉切り
    立木の伐倒後、枝払いをし、木の特徴に合わせ規定の寸法に切断して素材丸太にすること。
2本に株立ちした太い方の伐倒を行いました。
伐倒する方向に重心が傾いているため、切っているうちに裂け上がることがないようにロープで縛るなど策を講じてチェンソー作業を行います。
ある程度使える長さに玉切りしてもあまり曲がった部分がないので、無駄なく利用することができそうです。
スプーンやバターナイフといったカトラリーの材料には最適です。